新たなことに気付かされる日

12月27日、今年最後の絵画教室では、モデルさんをよんでのクロッキーを行いました!







自分でも描きながら、「上手く描けてる気がしないぞ…」と思っていたけど、先生からの講評でも「体は見てるけど顔が全然描けてない」ということを言われてしまいました。まだまだ自分の頭の中にある顔の形を絵で描いてしまっているようです。

芸大の院クロッキーの試験まであと約2ヶ月… !がんばらねばいけない状況です!

絵画教室から帰ってきた後には、卒論や本制作で大変お世話になった教授学の会合宿(九十九里)にすこし挨拶をしてきました。その合宿には、小学校の先生、幼稚園の先生、教育を学ぶ学生などなど色んな方が来て、国語、表現、図工など、いろんな教育に関することを学べる場です。
そこには2時間くらいしかいられなかったのですがそれでも、考えさせられることがたくさんありました!

黒磯いずみ幼稚園の発表会についてのお話では、園児が可愛く元気なだけの表現ではありませんでした。体をめいっぱい使ってること、自分自身で考えてポーズを作ってること、目線もしっかり表現として使っていること、集中してカメラにも気付かない、などなど園児の表現の可能性が自分の想像以上にあるのだと気付かされました。


 体をどう使うかが、人にどう伝えるかに関わる。

大きくなるにつれて、文章の作り方とか絵の描き方とか覚えていくので、表現の仕方をどんどん覚えていくものかと思っていたけど、逆に大人になるにつれて、自分の表現方法をせばめていってしまっているんじゃないかなあと、今回思いました。子どもたちは大人が出来ない表現をたくさん出来る!

このお話のあとに、他の先生方の感想で、「ビデオではなく、写真で撮られていることがすごい」というのがありました。ビデオだと、ボタンを押したままでいいけど、写真は押さないと撮ることができない。自分で撮る一瞬を判断しなきゃいけない。どの瞬間を切り取るかを自身で判断する能力が必要。
たしかに、発表で先生が見せてくれた子どもたちの写真はどれも魅力的なものばかりでした!それは先生自身が子どもをよく見ていて、表現に気付くことができていたからでした。

「どの瞬間を切り取るか」
 これは絵を描くことでも同じことだと思いました。
どこを素敵だと思ったか、どこを伝えたいと思ったか、それを気付いて、そして描くこと。それを見極める能力が絵を描く能力なのかもしれない。


このお話の次には「教育は人を幸せにするのか」というお話でした。

あるご友人からの質問でそのようなことを問われたそうです。今回の発表をしてくださった先生は自身の教育観をまじえながらも回答されました。
その場にいた先生方にも同様の質問を投げかけ、いろんな意見が出ました。「自分の経験では幸せになった」、「長いスパンで幸せを考えるのではなく、幸せは一瞬一瞬のことではないか」、また世界に平和をもたらすかのということから政治の話にもなり、「高い教育を受けていても政治をわからない学生が多い」ことについても言及されました。

わたしも聞きながら考え、「教育イコール幸せではないけれど、でも影響する力はあるのではないか」と思いました。
わたしの好きな漫画で岩岡ヒサエさんの「しろいくも」の中に、小学生の女の子がこう言うんです。


幸せって、幸せであることに気づいていないと、自分のところまで届かないんです


とても大切なことをこのセリフが言っていて、幸せというものはすでに用意されているけど、でもそれを幸せだと思わないと幸せではないということ。教育は色んなことを知って、考えることです。

昔の戦争を知って、いまの日本は幸せだと知ること
自然の力を知って、自分が生かされている幸せを知ること
知らないことを知って、成長できたと感じる幸せを感じること 

その幸せを気付かせてくれる助けをするのが教育なのではないかとそう思いました。

ある先生が紹介してくれたチラシの中にピーター・レイノルズの『てん』の物語が載っていました。 ある女の子は絵の時間が大嫌いで、紙はまっしろのまま。でも先生が「あら!吹雪の中の北極熊ね」「なにかしるしをつけてみて」と言われ、てんをつける。それを先生は金の額縁にいれて絵を飾りました。そのあと彼女はたくさんのてんをかくようになったというお話です。見たままじゃまっしろなだけの紙を先生はそこに意味を見いだしてくれた。それが、とてもすごいことで、女の子ひとりだけではできなかったことです。教師の力、教育の力を感じました。



国の平和とか、政治についてとか、そのへんはまだまだ改善があるかもしれません。実際、わたしも政治について正しい理解はあるかと問われるとまだまだ勉強不足だな、と感じます。

合宿の場を去る前に、わたしが以前作ったを紹介させていただく時間をいただきました。相も変わらず、自分自身のプレゼンは上手くできなかったので、実際にすでに本を読んでくださった方々から感想をいただきました。
改めて、作品というものは他の誰かが見たときに作品としての価値が出るなあと感じました。自分で作っておきながら、「そうか、そこが面白いところだったんだ!」と感心してしまいます。
紹介後には何人もの人が本をその場で購入していただき、大変ありがたかったです。

短い時間でしたが、教授学のみなさんにもお会いできて楽しい時間でした。
ひとりひとりの洞察力や、教育に対する熱い思いはいつもわたしに色んなことを教えてくれます!それがわたしにとって楽しくも幸せであるのです。

ありがとうございました。

花梨 Karin

 
 

コメント

  1. 素敵な感想を持っていただき、嬉しく思います。花梨さんが開いてくださった絵本の世界は、この先大きく膨らんでいく世に思います。とても大切な絵本を作っていただけたこと、本当にありがたいことと感謝しております。よい年をお迎えください。

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    1. こちらこそ、小出先生をはじめ、みなさんのご意見を聞くたびに、「ああ、そんな見方があったんだ!」と新たな世界に気付くことができています。こうやってみなさんとつながれていて、とても嬉しいです。また来年もどうぞよろしくお願いします!
      小出先生もよいお年をー!

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